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自然農&無農薬・無化学肥料栽培をし始めてはや10年、。気が付けば30代も後半に、。 日々のうんちゃらかんちゃらをとぼとぼと記録していく日記です 有機農業・車いじり・ネコ・考え事、、。 なんだかカオスだけど、それが僕。
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嬉しかったこと③
理想の肥料 互いの夢叶う ゆいまーるさんと 
※ちょっと専門的な小難しい話が長くなりますがご容赦ください
※これまでの栽培についての謝罪も含みます、。僕やめがね農園を嫌いになる方もいらっしゃると思います


もう先月のことになりますが
『 圧搾の菜種油粕いりませんか 』
『 これからは地域循環型農業が大事かと思ってましてー 』とご連絡いただき、
佐久の ゆいまーる自然農園 、大田圭一郎さんの所にお邪魔して来ました。
この圧搾菜種油粕、実は数年前に2人で話をしていて、しかし当時は搾油所が県外にしかなく
、搾油のタイミングに上手く合わないと、手に入らないモノでした、。
大田さん、自前の搾油所を立ち上げたよ~!ということで、
これはめでたい、うれしいな と数年越しの実現になったものです。
そして、これは僕にとっても、念願叶った夢の資材なのです。
―――――――――
菜種油粕、、。菜の花の種から、油を搾った、残りかすになります。
窒素分が多く、次いでリン。カリは控えめな肥料です
めがね農園では、一応科学的な土壌診断
(行政の肥料登録の際にも認められる分析機関で土壌分析をしていただき、その後もそれに比する形で成分検出される民間土壌診断を選んで利用)をした上で、
①余計なものは入れない
②出来あいの肥料ではなく、出来れば有機物そのもので
③なるべく地域にある資源を循環させたい。より持続可能性が高い方法で作付する
という基本方針の下、
長らく、キノコの廃菌床、クズ大豆、菜種油粕
という、3種類の肥料しか用いずに作付をしています。
※ちなみに廃菌床は畑づくりの最初(遊休農地を借りて1発目)に入れるだけで
以降数年は育苗用土にしか用いてないので、
野菜が畑に出てからの肥料としては2種類しか使ってないことになります。
土壌診断をしている理由は、「有機農業だとどうしても過剰成分が発生しがち」とされているから。有機物って、成分が単一ではなくいろんなものを同時に含んでいるので、何も考えずに「沢山、色々あげりゃいいんだ」とやりすぎると、
かえって栄養が多すぎという事になり、植物に良くない影響が出たりします(生理障害等の病気)。しかも余計に入った養分に限って畑から取り去るのが難しい、。何年も残存したりします。

その辺の管理は、実は化学肥料を使う慣行栽培の方が得意としているジャンルです。
単肥(一種類の養分しか含んでない肥料)があるので、
土壌診断の精密射撃系な栽培では、化学肥料の利用の方が推奨されるくらいです、。いわゆる「土づくり」と言われる部分では、土の成分のバランスも大切になってくるのです、。めがね農園の場合、元々のスタートが全て遊休農地(使わなくなって草だけ伸びてた畑)です。

そこに初期に適度なきのこの廃菌床で、この地域の場合には養分バランスがとれてしまいます。(ちなみにきのこの廃菌床をずっと入れ続けていくと、ソレはソレでバランスが崩れていきます)
その後は、栽培で利用した養分だけ、多すぎにならないよう、使った分・使う分だけをあげる という栽培管理をしています。


基本方針について、廃菌床とクズ大豆については全てクリアしていたのですが、
これまでどうしても菜種油粕だけ③がクリアできていなかったのです。
①、②をクリアするためには総合的に最高のバランスなので用いていましたが、、ずっとモヤモヤした思いがありました、、、。


ちなみにめがね農園がこれまで使っていた菜種油粕は、「Jオイルミルズ」「日清オイリオ」等の誰でも知ってる大手メーカーさんの菜種粕です。肥料としての油脂屋さんが違うこともありましたが、肥料に詳しい資材屋さんに聞くと、結局は上記二社に行きつくので同じものだよ。とのこと。

僕もその2社の油で調理したご飯でここまでを育ちましたし、今も食べています。
一般家庭の、特に理由があって油を選んでる方以外は、
十中八九がこの2社どちらかの油を料理に使っていると思います。
「みんなが普通に食べてる油の搾りかす」という意味で安全は担保されていますし、
肥料として用いる菜種油粕も、甘くていい香りがして、個人的には好きな資材です。しかし、、。

(1)十中八九、輸入である
(2)有機溶剤(ノルマルヘキサン)を抽出に用いている
というところで、個人的には問題がないわけではありませんでした、、。
――――――――――
(1)について
そう、輸入なのです。国内での商業的菜種栽培は、ホントにごくごくわずかです。
2010年で0.06%と言われています。
そういう意味では石油と同じ。『輸入が止まれば、途絶える資材』でした。
永続性、持続可能性が低いと言えるのです。
輸入という事はお察し、遺伝子組換え作物である懸念もあります。

(2)について
上記2社というか、日本国内で一般に流通している菜種油の99%以上が
有機溶剤による抽出により、菜種から油を搾り取っています。
その方が圧縮(プレス機でつぶして絞る)よりもより根こそぎ油を搾り取れるからです。
溶剤抽出の普及率の高さは、有機JAS認証の基準にも影響を与えるほどです、。
『菜種油抽出時に使われるノルマルヘキサンについては、やむを得ないものとする』と扱われるほど、人間が生活を営むのに必須で必ず発生し、有機物資材としては重要かつ多量な流通があるのに、溶剤抽出以外の物が無い(かなり寡少)という資材だったのです。
大田さんの菜種油はシンプルに菜種を圧縮して絞る圧搾法。
科学的薬品の『0.000000,,,,,,ppm』の残留の心配もありません  
――――――――――
これまで「菜種油粕を利用している」というのは公言してきていましたが、
このようなジレンマについて声高に広報する ということはありませんでした、。
有機農業だから、有機物使って、農薬化学肥料使わんで育てればいいんだろ?という方もたまにいます。でも僕の場合、そういう話ではないのです。他の懸念にも応えて初めて、自分の中での有機農業だと思っています、。
常に考え続け、「よりマシな」方法を選んでいくことが大切だと思っています、。
一般的な菜種油に由来する菜種油粕利用について、これまで食べてきた油だから大丈夫 と個人的には思うのですが、
より厳密に「製造工程以前にも、科学的処理が関わった作物は食べたくない!!」
「遺伝子組み換え作物由来の可能性のあるものは、肥料原料とてビタいち触れたくない」
という人には、今回謝らなくてはいけないと思っています。申し訳ございませんでした、。
より良い農産物が見つかることをお祈り申し上げますとともに、
これからも、なるべくマシな栽培方法を追求していく所存です。
――――――――――
最後に、菜種という作物について。
僕の農業は、「自給自足をしたい」から始まっています、。
なるべく続く、飢えずにシンプルに回る、最低限の仕組みを確立したいという気持ちは、小学生の頃から変わらず人生の根底になっています、。
そのためずっと、国内自給(国内自給率向上でなく国内自給力保持)には関心が向いていました。
『社会的には無理なのかなぁ、。』そう思うこともありながら、、。
菜種油という高エネルギーな産物を人間に提供してくれる菜種。
『でも肥料分は必要なんだろうなぁ』そう思っていたのですが、大田さんいわく菜種自体は、
『必要な栄養が揃っていたら、あとは成長しながら沢山エネルギーと栄養を作ってくれる作物。茎の部分は畑に還すけれど、菜種粕まで全て還しちゃうと、養分が過剰になっちゃう程』とのこと。

『有機農業なんて言ってるけれど、結局化学肥料で出来たものの残渣が無ければ頓挫するんでしょ?』なんてちょっとイジワルな質問もされたことがあるけれど、
菜種油の有機農家さん、自然栽培農家さんが国内にいてくれれば、
そう、大田さんが居てくれれば、もう大丈夫、飢えない(笑)と、心の底から安心し、嬉しくなりました。


菜の花と菜種農家さんは世界を支え、世界を救うんだと思えました。
もうこれはホントに、心の底から思っています。
2人の念願が叶った夢の資材。良かったなぁと思っています、。
来年からのキュウリにもご期待ください。

―――――――――
そして頂いた油。
いいにおい。
うちに帰って、何か混ぜるのももったいない気がして、そのまま舐めてみました。
菜種油を『そのまま舐めたい』と思ったのは初めてだと思います。
当たり前のことを言いますが、
菜種油って、菜種の香りがするんですよ。
大切だから2回言うけれど、

菜種油って、菜種の香りがするんですよ。


もう、なんというかおいしいです。
最近はこれに岩塩砕いたものだけ足して、
焼いただけのウチのオクラにつけて食べてます。夜のおつまみ。
勿体なくて、しばらく火を通しての使い方は出来ませんでした。、
オクラを卵と一緒に炒って食べてみました。僕の中での新定番になりました。
大田さん、良いものをありがとうございます✨
     

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プロフィール
HN:
ねこひげ@めがね
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1985/03/30
職業:
農家。
趣味:
にゃんこ、みぜっと、さんぽと旅。
自己紹介:
~ここ最近のあらすじ~
10年経っても諦められなかった夢、
自分の中でもぞもぞした夢。
叶えてその後、10年が経ちました。

『農家』になってはや10年、。
人もうらやむ夜更かし昼寝。自由が利くのはいいけれど(笑
手伝ってくれる仲間も出来た。、あとは稼ぐだけ!!のトコまで来た(笑
まぁそこまで。 まだ稼げてはないんだなぁ、、。
稼ぐ以外のやりたいことは、やり切ったからいいんだけどね✨


お客さんにもボカスカ買っていただけてる。「インディーズ ファーマー」って肩書は取れたw
あともうちょっと、。人が羨むぐらい稼いだら、世の中も勝手に変わるんじゃないかと思ってる、、。

まぁ、焦るな焦るな。忙しい中でものんびりと。納得のいくように、やりますv


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愛車、ミゼット2。小学生の時に気になり、「いつかは乗りたい」ともやもや過ごし、運転免許を取得した帰り、中古屋さんで偶然の出会い、そして即購入。以来17年、一緒にいてくれています。
今はお庭でお休み中。でもまたいつか、走りたいね。
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愛猫みるくは、大学の2年目、生後6日の所を拾い、そこから一緒に暮らしてきました。この4月、17歳で逝去しました。
早かったなぁ、長かったなぁ。
いつもありがとう、今もありがとう。

そんなこんなの僕なのでした。


2022 04月 更新。
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